☆エロ屋さんの戯言☆

長年エロ屋に関わっている自分の日常のあれこれや戯言を綴っています☆

初めてSEXした時の話⭐︎3⭐︎全3話


山に捨てに行く。
なんともおだやかではない。コンプラゴリラだと思っていた彼だが、性が絡むと度々おかしな行動を起こす。当時は私も「山に捨てるしかない」と頷いた。
※不法投棄です

タオルを捨てる為に集会所の近くの山に向かった。
たぶん20時ぐらいだったが、丑三つ時と変わらないぐらい辺りは真っ暗で静まり返っている。
木村くんは「ナプキン持ってなくてすまん」と言ってタオルを引きちぎって渡してくれた。
「持ってたらこわいよ」私はオマタに敷いてナプキンの代わりにした。初めて生理になった時みたいだ(ちなみに私は小4でなったのでびっくりして病気かと思いました。身長も体重も平均以下だったのに)
ままま真っ直ぐに歩けない。痛くて歩き方がおかしい私に木村くんは気付き、強引におんぶをしてくれた。今だったらしなくて良いから1人で行って来なさいと言うけど、当時の私はなんだか嬉しかった。
若い青年がおんぶをして山に向かう姿は姥捨山のようだった。

この時の会話を私は忘れる事ができなかった。
「木村くん、姥捨山みたいだよ」「それならかあちゃんが先だね、捨てないけどさ」「お母さん最近見かけないね」

木村くんのお母さんは美人でそれに加え派手な化粧と服装だった事もあり、村の人は好き勝手に噂話をしていた。祖母のお店で働いてるホステスさんにどことなく似ていて私は親しみを持っていた。
かあちゃんは噂通りトクヨクで働いてる。沖縄でもトクヨクで働いてた。俺が生まれる前から」「トクヨク?」
「特殊浴場だよ、風俗って言ったら分かる?」「そうなんだ…なんとなく分かるけどホステスさんとはどう違うの?」木村くんの表情は不穏だ。

 「風俗は体を売るんだよ。まいちゃんには絶対にあんな仕事して欲しくない」
「え!?しないよ!私にはできないよ!」
「できなくてもしてる人もいるから心配なんだよ」
「そうなる前に自分でなんとかできるよ」

「まいちゃんは何も働かなくていい」「極端だなぁ、自分で働けるよ。今のラーメン屋のバイトだって友達もできたし楽しい。この間初めてミスドってとこに行ったよ」
「ソヒョンちゃんだっけ?朝鮮人の。ミスドぐらいいくらでも食べさせるよ。ブルーシールも食べて貰いたい。海ぶどうも」未来を語る時の木村くんの表情はいつも晴々しい。「沖縄の?うれしい!」
海ぶどうって甘いお菓子だよね(海藻です)ふふ。それにしても木村くんは心配し過ぎだ。女性は働いたら良くないと思ってるのかなぁ。

木村くんは来年独立する。私を軽々と背負って平然と歩く木村くんは頼もしい。この頼もしさが単なる付け焼き刃だとは思わない。こんな田舎でも人は立派になれる。
木村くんは同じ年頃の子が遊ぶ姿を見ても少しの関心も示さない。友達と別れて沖縄から出てきて、ひたすら働く毎日で…愚痴も言わない。自分の生き方にもう覚悟を決めてるのかな。
でもこの世界はここだけではない。ここだけしか知らないまま生きるなんて私は嫌だな。
私は色んな所に住んで色んな人に会いたい。
それでも木村くんの温かさしか知らないまま生きていれば、そんな事も思わなくなるのかな。


土を掘ってタオルを埋めた。東京に行ったら、もう天然の腐葉土には触れないのだろうか。コンクリートばかりだと聞いている。 
「木村くんはずっとここにいるの?沖縄には帰りたくないの?」「まいちゃん、正直に言うと俺…会う度にしたいって言うと思う」「質問と全然違うよ!」したばかりでこんな事言うなんて。でもそんな正直な所も好きだ。でもしたくないよ。

「それはヤダ」「そりゃそうだよね」「避妊は必ずしてね」「絶対するよ。でもまいちゃんにはいつか子供を産んで欲しい」思わずタオルを埋める手を止めて立ち上がってしまった。「え!誰かの?」「なんでよ?俺のだよ」

女性は子供を産むのが当たり前の幸せなのかな…私がお母さんになるなんて。そんな大きな幸せを手にしてしまったら、いつ失うのか奪われるのか分からない不安を一生抱えてしまう。そんな生き方を選ぶのは怖い。
でも普通の家庭…普通のお父さんと兄弟…木村くんとなら私でもそんな生き方ができるのだろうか。
「…うん、ありがとう」「沖縄の海は瀬戸内海より青いよ」「うん、いつか見たい」

木村くんは家まで送ってくれると抱きしめてくれた。
数時間前には、この体に直接触れていたんだ…。それよりも自分でも触った事がない場所に誰かが触れるなんて考えてもいなかった。
「まいちゃん、今度はいつ会える?」木村くんの特徴的で大好きな声は誰かに聞こえてしまいそうで、心臓がキュッとした。


若者に有りがちな、恋に呑まれたような信憑性のない、大人からしたらそれこそままごとのような恥ずかしい会話だった。しかも実際には私達の会話は広島弁と沖縄弁だからより一層。
それでも例え若気同士の戯言でも、後にも先にも私に子供を産んで欲しいだなんて言ってくれたのは彼だけだった。でももしその後の私の人生を先に知っていたら、きっと彼もそんな事は言ってはくれなかった事は分かっている。





卒業式が終わった後、友達が真剣な顔で「まいちゃん!東京の会社に就職したんよね!キムタクに会ったらこれ渡して!」と手紙を渡してきた。シティガール達には信じられない話だが、皆真剣だった。もちろん未だに渡せていない。ちなみにタッキーにも。
入学式の時一目惚れした眼鏡で薄顔の男の子との制服デートは叶わなかった。色白で目立たなくて、でも私はいつも追いかけていた。でもそんな事はとっくに忘れてしまっていた。
生きていれば幸せの形は変わる、なんでもそう。木村くんに教えて貰った。幸せに辿り着くまでの過程は過ぎてみれば思い出せないぐらいに自然だから、それには気付けない。

皆と別れた後、卒業証書を持った私と無言ですれ違い居間に入っていく父と付き人を横目に、私はそのままの足でレンゲソウ畑を越えて行った。
待ち伏せする私に驚いた様子もない木村くんを見ると安心した。「お祝いして貰わないの?おばちゃんは?」「まだ帰って来てない」木村くんは多くは聞かず隣に座ってくれた。「まいちゃん、おめでとう」

控えめに当たるだけの手の甲同士がもどかしくて、初めて自分から木村くんの首元に唇で触れると、慣れない手付きでズボンの中に手を入れた。
いつもなら汚れるからと作業着には触れなかったが、この制服を着ることは二度とない。作業着に付いて硬化したコーキング剤と木屑は太ももに当たるとチクチクした。
声を我慢すると苦しくなるのに、有機溶剤の香りがするものだから、それが余計に相まって恍惚とさせた。

外に出てレンゲソウまみれになりながら木村くんとぽつぽつと浮かぶ綿雲を眺めた。
このまま付き合っていく選択肢を選べない事はお互い分かっていた。携帯も持っていない時代。離れてしまえばいずれ他の人を好きになってしまうのも。
どちらも決定的な別れの言葉を出さずにとも、私達の中では子供なりに理解して解決していた。 
現実からいつも背いてはその穴を埋めてもらう。繰り返してばかりなら、望ましいことにすら背いてここから出たい。
家に帰ると部屋から出ず母の帰りを待った。母は帰ってくると、すぐに台所に立ってくれた。いつもそうだった。









田舎育ちで都会に憧れた無知な人間。人に頼ってなんぼだっただけ。自分がそこまで愚かな人間だなんて自覚していなかった。
私はヘマをして多額の借金を追い、彼がやって欲しくないと言っていた仕事に就いた。初めて面接に行った日の事は今でも忘れない。
経験人数の欄に「1人」と書いた。
「1人なの?田舎の彼氏?こっちでエンコー?」「…彼氏です」「イイ商品入ったわー。ちゃんと実技講習受けてから帰れよ」と言われた。全てが他人事だと思っていた。

「客には本番しなくて良いから」と言われ崩れた化粧とヒリヒリする体を洗い流し待機室に入った時、私はこの先二度とあの頃のような気持ちにはなれない人間になっていく事が分かった。木村くんとの思い出を汚してしまった事も。彼の前に現れる事はもうない。
女の子が話掛けてくれた。
「大丈夫だった?」「うちらも同じ目に遭ってるから」「あいつらムカつくよね!」「最悪だよね」「今は慣れちゃったよ」
闇金から紹介されてここに来た子、保険制度も知らず実費で病気を治すお金がない子、戸籍がなく職に付けない子、源氏名を本名のように大切にしている子、そして初めての経験で性犯罪に遭い、そのまま誰にも言えず中絶期間を過ぎて家を出てきた子。
大人の知恵を借りるという知恵すらない、もしくは知ってもそれに従わない従えない若い女の子達。
彼女達を知って、私には思い出せる思い出がある。私はとても恵まれているのだと気付いた。あの思い出は当たり前ではなかった。
これも私が選んだ選択だ。無知な私には必要な事だったんだ。さっきの事も大切な思い出を色濃くするもの、本当にただそれだけの事なんだから。


その後私は数え切れないご縁を頂き、自分を形成してくれたたくさんの経験も経て、たくさんの恋愛も経験した。その全てが美しいものではないけれど、今の自分でいる為には欠かせないものだった。
子供が欲しいという人ともご縁を持ったが、それはあくまで私に言ってくれた訳ではなく、欲しいからこそ他の誰かである必要があった。
心身的にも難しい事は知っていたし、この仕事に就き続ける私にそんな事を思って貰おうなんて望んでいなかったから悲しくはなかった。むしろ傷ついたのは相手の方だったはずだ。私は誰かのためにこの仕事を辞めようなんて思えない人間だ。
ある程度年齢を重ねてからは、何より自分自身が母になりたいという理想がなくなった。
自分が思い描く幸せに、母親である自分の姿はなくなった。「子供は欲しくない」と言い切れる人しか好きになれなくなった。
私にもあんな事を言ってくれた人がいたけれど、子供を授からなかった人生に後悔はない。私は今がいちばん幸せだと思っている。



なかなかの田舎です。そして話は戻るのだ。

 

*写真は削除

 

実家のトイレ。こういう蛇口、今やなかなか見かけない。






うん、もう血は出ていない。しかしおしっこが滲みるわ。数日後、朝から集会所の辺りが何やら騒がしい。
庭でタオルを干していた私は嫌な予感がした。
「誰かがイノシシに襲われたんじゃねぇか?」
「高橋ガスのタオルって事はこの村の者だろ」 
「血がついとるけぇケガしとるんじゃないの?」
「おい!みんな無事かぁ?」

なーーーーーーっっヽ(;▽;)ノ!!!

近所の猟銃を持った歯のない(数本ある)おじさんが山に入ると血染めのタオルを発見したとかで、村は大騒ぎになっていた。
ききききき木村くんどないしよーーー!!
木村くんはバッタリ会うには遠い離れた場所に住んでいたが、たまたま親方と集会所で作業をしていた。
「おい親方!高橋ガスだけじゃねえぞ。青木組のタオルもみつかったぞ!」 「しかもちぎれてんじゃねぇか」
その切れ端、私がオマタに挟んでましたーー!!
親方はタオルを受け取ると「まさか俺んとこには不法投棄する奴はおらんよなぁ!おい小僧…お前何買いにトラック借りたんだったかいのぉ」と木村くんに詰め寄った。
いいいいっ言い方!!小僧とか実際言う人いるんだ!ヤクザ!まるで893!!バレとる!!
「しかも人様んとこのタオルとうちのタオルを捨てる奴がよぉ」親方デカい!
木村くんの表情は感情を全く表していなかった。人間ってあんなに無な顔ができるんだ…ベルトコンベアーに流れる魚みたい…。詰み。木村くん。どうもありがとう。親方はタオルで締め殺す気だ。

後に聞いた所によるとこの時木村くんは村人の前で「はい!コンドームを買いに行きました!お相手が処女だったもんで!俺が乱暴過ぎて出血させました!タオルは俺が捨てました!」と中途半端に紳士的に本気で言おうとフル回転で考えていたと知った。超怖い。
「はい!親方!おっ俺はっ…」その時だった。
正直な態度を認めてくれたのか私の立場を気遣ってくれたのか「まぁいい…これちゃんと捨てとけよ小僧」と言った後、村人達を退散させた。木村くんだけではなく私まで「へ…へい!」と答えてしまった。しまった…。とりあえず皆無事だから大丈夫だと散る村人達。もしやこれは終わった……未来に呪いを掛けた…いや…でもバレてないよね…ははは…ははは…。


カモフラージュの為、私はお初の話になると「同じバイト先で知り合った大学生のお兄さんと」なんていう嘘をつき続けていた(ごめんなさい)







んがしかし。



2024年。

新幹線と電車を乗り継ぎ、相変わらず本数の少ないバスに乗った。やっぱり私は田舎者だもの。窓から青草の香りがすると安心する。
バスが木村くんの家の前を通った。
あれ?建て直したんだ。ベランダでなびいている洋服はおそらくお兄さんのものだ。お母さんはどうしてるのだろう。
木村くんはあれから数年後1人で沖縄に戻り、今は立派に親方を務めている。結婚してめでたく2人の息子さんにも恵まれたと、15年ぐらい前に木村くんのお母さんから聞いた。

情報番組を観ていた母が思い出したように言った。「木村くんとこのお母さんね、若年性認知症で施設に入ったんだって」「え!そうなん?びっくり」
その後あのお母さんはどんな人生を送っていたのだろう。勝手にセンチメンタルになっても困るので、とりあえず母が入れてくれたお茶を飲む。おいしい。
そうか…そんなに年月が経ってるんだな。

海ぶどうが冷蔵庫に入ってるから吉川さん来たらあんた渡してね」
海ぶどう?沖縄の?なんで?んで吉川さん歯何本残ってる?猟銃はさすがにもうやってないよね?」
「歯も猟銃もないみたいよ」「残らなかったか」
「でも吉川さん山も土地も持ってるから。あとなんか勝手に村の語り部だよ」「昔から噂話好きよね、吉川さん」
「そうそう。沖縄のお土産、後から送って貰ったんよ。先週まで実家に帰って来てたんよ木村くん。息子さんもう18歳だって。海ぶどう送るんで分けて下さいって。変わってなかったよ」「もうそんなんなるんだ!」「あの子さぁ昔から元L○HがAV男優になりました!みたいな感じよね」「え?………そうか?」この人マジで平気でこういう事言うのよ!やめてくれぃ。
「青木さんの7回忌だったから、集会所にいてね。声掛けたんよ」「ああ…そうか7回忌か」あの時の親方は亡くなってしまった。確か心筋梗塞だった。今は甥っ子さんがこの村で跡を継いでいる。
木村くんとはあれから会うどころか一度も連絡も取っていない。ご近所でもないし今はお互い実家から離れているし、帰る事も少ないから会うことはない。お互い意識はしていない、そういう間柄だ。
ただずっと幸せでいてくれたらいいなと思う。


30歳を過ぎた頃、やっと気付いた事がある。
過去に好きだった人に拘る時、本当はその人のことを何も思っていない。恋心なんて残っていないのに…と。
願っているのはあの頃と違う自分を見て欲しいだけ、認めて欲しいだけ。という幼い他者容認の欲求。
どこまでも相手に依存してお任せしている情けない話。全くご迷惑な話だと。
相手を通してアイデンティティを確立させる女性を誰が魅力的だと思うのか。そんなフニャフニャした若くもない女性に誰がお金を払ってまで会いに行きたいと思うのか。
「マイナスな事を言う人間は同情や共感は得られても、幸せにできる力はない」思い出深い人(過去ブログ、歌舞伎町生態系バランスより)が言っていたこの言葉の強さには圧倒された。私は私も大切な人も幸せにしたい。 
いつの日か過去の幸せや後悔に拘らなくなった。
今が幸せならどんな幸せな過去も「過去」でしかなくなるのだから。







母から洗濯物を取り込むようにカゴを渡され玄関に向かった。
ガラガラガラガラ。
「浅井さん、海ぶどう取りに来たよ〜」
鍵を掛けないのはこの村の風習なのか?疑問に思う。日本国憲法が通じない村なんか?
歯がない吉川さん目の前に登場である。まともに顔を合わすのはあの頃依頼だ。

*歯が無いため何を言っているのかは正しく聞き取れていない可能性もあります
「お久しぶりです。まいです。帰りました」
「お〜!まいちゃんかぁ!わかんなかったよぉ。もう四十半ばかぁ?オバさんだろぉ。彼氏は?旦那さん置いて帰って来たの?子供は?なんで帰ったぁ?」はいはい、出ました出ました。
海ぶどうを渡したら撒くとしよう。

「あいつと相引きしてんのかぁ?山の中でなぁ。あの母ちゃんヤラせてくれなかったけどよぉ。今度はタオル持って帰れよぉ。この間あいつが帰ってきたからよぉ、本人囲んでみんなでその話で盛り上がっちまったよぉ!ガハハハハハ!!」 


˚✧₊⁎⁎⁺˳✧༚(´・∀・`)??


「ははは!!それは賑やかでございましたね!!どうぞこちら!!海ぶどうです!!でわでわお元気で!…はははは!!」

「血だらけのタオルをよぉ!初めて抱かれたんだろぉ。ほいじゃなあー」

「そりゃもう!山の中ではないですけどね!!はいはい!!ははははははは!!」



ガラガラガラガラ。


バタン。





この時の再現↓
うぉぉぉぉん!!ぴぇぇええん!ぱぉぉぉん!!








なーーーーーーっっヽ(;▽;)ノ!!!
やっぱりバレとったぁあああああ!!!

ぴえんぴえんぱおんぱおぉぉぉぉん!!

え?じゃなにかい?20年以上みんな私を見る度にそんな事思っていたの?盛りのついたメス豚だって!ぎぇええええええ!!




「ちょっと!あんた何やってんの!?洗濯物取り込んでって言ったでしょ」
は!!正気に戻った私はカゴを持って庭に出た。


「あら、まいちゃん!お帰り!ふふ…ふふふ」
道行く人々、もう皆んながそういう風に見ているようにしか見えない。
私は皆から見ればあの日初めて抱かれ、そしてそのタオルを不法投棄して見つかり、それでもそ知らぬ顔をしてきた女。
あの時先輩に言われた言葉通り、私は何十年後もの未来に呪いを掛けてしまっていた。
ただこの事でお相手が後悔してなければそれで良しとしよう。何はともあれ、エロ屋になる前の私を知っている唯一のお相手なのだから。


外は心地よい春晴れだった。 
綿雲が消えれば入道雲に変わる。私はそれもきっと好きに違いない。その頃には綿雲の事を思い出すことすらないのかもしれない。
目の前の田んぼに群生するレンゲソウの風景はやっぱり今でも大好きだ。
……それにしても「抱かれた女」だなんて。
よくもまあ言ってくれたわ。男性が女性に抱かれたって言っても良い時代なのよ。これだから閉鎖的な田舎は困っちゃうわ!遅れているわ!私が抱いたのよ!…と、良く乾いた高橋ガスのタオルを取り込みながら、私は苦し紛れに都会風を吹かすのであった。





  




まきまい


















幸せの形の変化は渦中にいる時は気付かないものだなと思います。いつもいつの間にやらでした。
今にしがみつかなくても生きていれば、また別の形の幸せに逢える事を私は楽しみにしています。



今年も良い子ぶって神様にアピールしておいたわ♡





裏にはちゃっかりね🎋









次回はせっかく病気になったんだからシリーズ、ネタにしたい、の小出しです。