☆エロ屋さんの戯言☆

長年エロ屋に関わっている自分の日常のあれこれや戯言を綴っています☆

つぼみさんへ

約3年前にブログ「落書き」でAV女優のつぼみさんが好きだという内容をいつか書きたいと書きました。
書かないまま時が過ぎてしまったのですが、先月末で活動を終了されたのを機に思いの丈を書くことにしました。


年齢を重ねてますますナチュラルで素敵なつぼみさん。


「プロフェッショナルエンターテイナーの女性の名を3人挙げようの会」があったら松浦亜弥さん、ブル中野さん、つぼみさんの名を挙げたい。
あやまんjapanも素晴らしい!


1000本以上の作品に出演しているつぼみさん。
しかしながら正直なところ、私が知っている作品は数える程度です。
私はオナクラという業種に長く身を置いていました。
お客様の大半はアダルトDVDを観ているので、意識して観ていなくても自然と視界や耳に情報が入ってきます。いつの間にやらある程度詳しくなっていき、長い間DVD棚の整理の手伝いをしているうちに自然と女優さんとジャンルも覚えていきました。
私がAVを知っているのはこの程度の事なので、つぼみさんの作品内容について詳しくは語れません。
正直なところAVはプライベートでは極力観たくないという思いがあります。
関係者の方々がプライドを持ってやっている仕事だという事は百も承知なのですが、私はAVを観ると勝手にセンチメンタルになってしまうのです。
そんな私が彼女の何を知り想い好きだと言っているのか、御本人もファンの方々も甚だ疑問だと思います。
その事がそれだけ信憑性のある事だと認められるかは分かりません。



某店。とりあえずジャンル分けしてメモを挟む作業。意外とこれが難しい。例えば「騎乗位」はされているのか?させているのか?で「痴女」か否かなど。なぜか横になる写真。



パッケージ見過ぎて無になり徘徊し始める。

 

 


私達エロ屋のしている事は、自身を知ってもらう事においてこれ以上のインパクトは与えられない「呪い」の行いかもしれません。性とは最終地点です。
先に脱ぎ性的な印象を与えてしまった者がそれ以上の印象を与える事は、生物学上非常に困難です。
あんなにも聡明な紗倉まなさんでさえ、世間の反応に悩まされていたと思います。しかし彼女はその「呪い」を解いた素晴らしい女性です。
そしてその「呪い」を解いた最も有名な女性は、亡くなられた飯島愛さんではないでしょうか。
テレビ業界に限って言えば、その壁を超えたエロ屋さんは未だに存在していません。そしてこれからも現れないのではないでしょうか。



20年以上前に書かれた飯島愛さんの自伝。
勇ましく激しい半生を悲壮感なくストレートに書かれた文章が魅力的です。





私という立場の人間も人間性や読解して貰いたい事を伝えるよりも、性的な内容が求められる人間であることは承知しています。
そして性とは安直で最も伝わり易い。頼りやすい。
もちろんこのことは決して悲観的には捉えてはいません。私が大切にしてきた歴史の上で起きていることですから。
そしてその壁を超えた間柄が存在する事も知っている私にとっては、取るに足らない事です。
私に尊厳を与え一緒に物事を深く考え興味を持ってくれる人がいると思える事は、この仕事を経験しているからこそ分かる喜びでもあります。
さらには私に会った事も見た事もない人が、エロ屋である事を知りながらも評価して頂けるならそれは大変な喜びです。



つぼみさん。
貴女のように性産業に長く就きながらもいわば呪われない人は、きっと稀なのだと思います。
つぼみさんは人間の本能である生物学上の原理を超えてしまった女性だと、私はずっと思っています。
貴女の作品を大して知らない人間が、ずっとずっと魅了され続けています。
私はつぼみさんと疑似体験をする事も、性の対象としてお世話になった事すらないのですが、そんなファンがいる事をつぼみさんが嬉しく思ってくれたら本望です。
作品こそしっかりと目を通すことはありませんでしたが、それ以外のつぼみさんが発信する多くの事を長年拝見させて頂きました。
そして…こんな事言って良いのかしら…怒られるかしら。
私はつぼみさんに共感する事も多々ありました。
女性は共感を求める生き物であると言いますが、共感できる事があれば例えそれが成し遂げられない事でも、それだけで強くなった気がしてしまうものなのですね。
私はあのつぼみさんと同じ事を思えたのだから間違えていないと何度も根拠のない自信を与えて貰いました。大きく違うのはその思想をつぼみさんは体現をされているところです。



私がつぼみさんを知ったのは10年以上前、AV業界で働くスタッフから話を伺ったのが最初でした。
とにかくどの関係者にも評判が素晴らしいのです。
すでにトップ女優であったのに、楽屋の隅っこや時には階段にポツンと座り、他の人とは極力コミュニケーションを取らない。インタビューでも「特定の親しい人はいない」と言うつぼみさん。
そして当然のように平然とプロフェッショナル。
ゆるりとした独特の落ち着いた自然体の雰囲気。若さと美を競う業界では珍しいぐらいにナチュラルで魅力的な人柄と容姿。
気難しい業界でトップ女優でありながら、一切のブレがないつぼみさんにたくさんの関係者が魅了されている評判は、何の面識のない私の所まで届いていました。
群れないつぼみさん。それはこの業界で働く為に必要な事を熟知してでの事なのか人柄からなのかは御本人のみ知る所ですが、つぼみさんの魅力を一言で表すとしたら「孤高」に尽きます。
そしてこの魅力、バッグボーンがとてつもなく強い。
とんでもなく強い。

孤高とはそれだけの事ではなくて。
生き残りを掛けた戦いが繰り広げられる業界で戦いませんの姿勢を持ち、ハードな内容を熟しながらも信念は辞めたくなるような事はしない。
周りの価値観が貴女の仕業をどう捉えようと、貴女は自分をとても大切にされているのだと思います。
ジャンル分けされる業界の中でそのどこにも属さず、またそのどれでもある魅力。
ロリであり痴女でありM女であり人妻。それは「つぼみ」という唯一無二の魅力があるからだと思うのです。
適切な表現なのかはわかりませんが、ジャンルに助けられる枠に収まる人ではなく、ジャンルに頼らなくても存在感と自己プロデュースが遥かにそれを超えてしまう。

入れ替わりが激しい業界で、年齢や流行に影響される事なく最後まで間違いなくトップ女優でありながらも、ずっとずっと御本人からそれを思わせるような素振りはありませんでした。
16年以上のキャリアを感じさせない「素人感」は、キャリアがある者だけが敢えてできる偉業であると私は捉えています。
AV女優さんの発信内容の中で、最もアダルト要素がなく常にナチュラルな緩さが嫌みなく自然体で、それでいてプロ意識を感じさせてしまうのだから凄まじいです。
アダルト要素を求められる世界以外でも、ありとあらゆる場面で惹きつける魅力は間に合わせで作られるものではありません。
そして何よりも、一度脱いだ人間が失うと言われているものがつぼみさんにはないように思えます。
つぼみさんの作品を好きな方も私のような人間も、この魅力に惹きつけられている事は共通しているのではないでしょうか。

その魅力を強くしているものに、自我を見せない事が大きく影響しているように私は感じます。
それはAV女優として、画面の向こう側に届ける役割を熟知しているからではないかと思うのです。
その軸をブレさせる事はしない。
つぼみさんは自分の支柱を絶対に見せない。
ナチュラルに曝け出しているようで、見せているようで絶対に見せない。
個を発信できるようになった今の世で、この取捨選択ができる人はとても強くプロフェッショナルな人に限るのでないかと思います。
作品を表として、つぼみさんとしての人柄を裏とするなら分かりやすいところ「作品とのギャップが良い」と表現されるのではないかと思うのですが、私は「表裏一体」と表現したいです。
つぼみさんの裏表に性質の差は感じられないのです。一貫性があり正に表裏一体なのです。



初めて知った日から最後までつぼみさんは、私の中でたおやかかつ強い変わらない女性でした。
先日無事に活動を終了されたとのブログを拝見してとても温かい気持ちになりました。
温かい気持ち…?なんでしょう、つぼみさんの活動終了時の私の気持ち、月並みの言葉。しかし私は何を書いたら良いのか分からないのです。
ここまで書いておいて引退された今、何やらよくわからないのです。
ほんの少しでもその場に留まる事はこの世にない事を知っているつぼみさんに「これからもファンです」とか「ずっと大好きです」なんて言葉は、それがどれだけ真実であっても、見込みのない不確かな未来だと思われてしまうのではないかと不安なのです。
つぼみさんがプライドを持って自分を愛した活動の終わりに、一体何を伝えたら良いのか私は何を思っているのか分からないのです。

ほんの少しでも性産業という共通点を頼りにつぼみさんを想える事があるならただひとつです。
つぼみさんが納得できる最高の状態で活動が終了されている事を願うばかり。
突然の引退発表と気掛かりな文面に、貴女の理想の最後を妨げているものが何もない事を願うだけです。
それだけは絶対にあってはならないのです。
どうかつぼみさんがずっと思い描いていた理想が叶えられていますように。
それだけをただ願うばかりの私なのです。
そしてそしてこの先少しでも寂しくありませんように。つぼみさんを大切にしてくれる人がいつもそばにいてくれる事を願っています。
どうか幸せな人生を送って下さいね。
つぼみさんが存在させた頼もしく穏やでプロフェッショナルな世界観に浸った、エロ屋の1人から愛を込めてお送りいたしました。
つぼみさん、長い間素敵な時間をありがとうございました。




まきまい








次回は膣内射精障害は国際問題なのよ、マジでどうするよ、です。
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